フランチャイズ本部に技術力は必要か

2020年から2021年の間、パソコン教室業界に大きな波が来る

IT技術の情報に疎いパソコン教室団体などは知らないかもしれませんが、技術がありIT情報に長けている一部のフランチャイズ本部は今大きな波が来ていることを知っています。

まず大きな波として、Adobe Flashが終了するということ。これに関しては別の記事で詳細を書いているので割愛します。

Adobe Flash Player終了によるパソコン教室業界の再編

MicrosoftのIE11が遂にサポート終了に

以前から情報は出ていましたが、Microsoft社のWindowsにインストールされているブラウザであるIEの過去のバージョンである「IE11」が遂にサポート終了になるというアナウンスがありました。

Microsoft 365 apps say farewell to Internet Explorer 11 and Windows 10 sunsets Microsoft Edge Legacy

IE11はWindows10のデフォルトブラウザです。2021年8月17日をもってIE11のサポートが終了することになりました。

今後のパソコン教室業界にどのような影響を与えるか

個人店舗のパソコン教室はどうなるか

日本のパソコン教室業界では、全国に存在する大半のパソコン教室は個人店舗で、ただ市販のテキストを貸し出して自習してもらう形式です。パソコンも古く、OSも古いままでした。ただ最近になって強制的にWindows10に切り替えられたため少しはましになりました。

個人店舗のパソコン教室は自習方式ということから、テキストだけではうまくいかない生徒が質問をしてきます。狭い教室に狭いデスクをぎっしり詰めて、そこに密着する形で質問に答えるため、コロナ禍ではかなりの影響を受けました。

現在(2020年9月)では政府が打ち出した助成金などで資金を確保できていましたが、それも年末までで終了します。IE11からEdgeへとブラウザが強制的に変わり、また今まで使ってきたOfficeの古いバージョンは、書店などでOffice2019の名称が広まってきていてさすがに旧バージョンだけで貫き通すのは難しくなります。生徒がパソコンを購入すると入っているOfficeは2019なのですから。

座学部分を動画教材で代用する方法が取れない個人店舗のパソコン教室は、2021年までに多くが淘汰されるのではないでしょうか。

フランチャイズ加盟のパソコン教室はどうなるか

しっかりしたフランチャイズ本部に加盟しているパソコン教室は、テキストや教材はフランチャイズ本部が開発してくれるので何もする必要はありません。

中には技術力の無いフランチャイズ本部も

しかし中には技術力の無いフランチャイズ本部もあり、大昔に作ったFlashアニメーション教材をそのまま使っている会社もあります。2020年末にFlashは完全に使用不可能になりますが、そうならないようにパソコンをオフラインにして、古いPCをそのままで使うことを決めたということで、そのようなフランチャイズに加盟してしまった教室は哀れとしか言いようがありません。

取り急ぎYouTubeのような動画に切り替えた教材開発会社も

同じく技術力の無いフランチャイズ本部は、YouTubeのような10分程度の動画を使って最初だけ説明し、後はテキストで自習させる方式に切り替える会社が多くみられます。

以前はFlashを多用した動画教材を販売していたウォ社は、今まで使ってきたFlash教材がすべて使えなくなることを踏まえ、教材を動画にして取り直すことにしました。もちろん10数年間で作ってきたFlash教材をすべて動画にすることはできず、個性的だった教材は影を潜め、ただ淡々と説明するだけの動画教材に切り替えました。

YouTubeなどで多く存在するパソコン教育用のムービーを見たことがある人はわかりますが、MP4などの動画でパソコン操作を再生すると文字や小さい箇所が潰れてしまい見づらくなってしまいます。

今までの楽しいFlash教材とは打って変わって、急場しのぎのMP4ムービーでは天と地の差があります。かなり安売りしているらしいく、上記の個人店舗の教室が慌てて導入しているとの情報が入っています。

技術力の高いフランチャイズ本部は何の問題も無い

スタディPCネットなど、独自のシステムと映像教材を開発してきたフランチャイズ本部では、そもそもFlashに頼っていなかったり、Flashムービーを独自プログラムで再生させる技術を持っていたりしていて、2020年末にFlash終了をむしろ追い風と見ています。

またOffice2019への対応や、IE11終了によるEdgeやChromeへの切り替えなど既に対策を完了しており、競合パソコン教室へぶつける準備ができていると聞いています。

属している団体の技術力により、パソコン教室の命運は分かれる

技術力の無い団体やフランチャイズ本部に属しているパソコン教室は、2021年以降はさらに厳しい状況に置かれるのではないかと編集部は考えています。

反対に、技術力の高いフランチャイズ本部に属しているパソコン教室は、近隣のパソコン教室から生徒を奪うことができるチャンスなので、一斉に宣伝活動をしてくるでしょう。特に見づらくて量の少ないMP4動画に頼るパソコン教室では、どちらの教材が楽しく学べるかが一目瞭然なので、生徒が取られることを意識してパソコン教室経営をしていかなくてはならないと思われます。

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msn編集部(毎日スクールニュース)
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