コロナ禍が再び勢いを増す時期、パソコン教室はどう変わるか
パソコン教室業界に限らず、2020年は新型コロナウィルス感染症の影響で多大な被害を受けました。自粛要請などもあり営業できない期間も続き、ほとんどのパソコン教室に影響を与えました。
しかし政府からの助成金などもあり、パソコン教室の大半はマイナス分を補填され、財政的にはむしろ余裕が生まれたという店舗も少なくありません。
2020年の夏頃はコロナ禍も一段落したかと思われましたが、Go To キャンペーンなどの施策の影響を受け、感染者数は再び増加する傾向を見せています。
新型コロナウィルス感染症の影響はいつまで続くのか
欧米各国の傾向を見ると、1日の感染者数の記録を更新するなど再び猛威を振るっています。しかし死亡率などは低くなったため自粛する傾向はむしろ薄まっています。
日本は冬になると寒くなり乾燥もします。ワクチン開発などに希望は持てますが、まだしばらくはコロナ禍は影響を及ぼし、むしろ感染者数は増加するかもしれません。
そうなると再び、人が集まる場所に行こうと思わなくなり、店舗は苦戦を強いられる可能性があります。
助成金を使い果たしたパソコン教室はどうなるのか
2020年にパソコン教室業界にもたらした助成金の連打は、それぞれのパソコン教室に財政的な余裕を与えました。
しかしこの記事を書いている現在では、これから新しい助成金などが支給される動きは見られません。既に日本政府は資金を使い果たしている状況だとも言われています。そのため、今までのような潤沢な資金が提供されることは期待薄です。
しかも2020年末にFlashムービーが全世界的に廃止になるため、今までFlashムービーに頼っていた複数のパソコン教室FCや、それらの教材会社から教材を仕入れてきた個人パソコン教室などはYouTubeなどに見られるMP4などの動画を使った教材へ移行せざるを得なくなっています。
Flashムービーの教材のゆくえ
Flashムービー廃止はブラウザでの再生において廃止されるため、スタディPCネット以外のパソコン教室グループは影響を受けます。スタディPCネットはFlashムービーを採用している教材は一部だけで、しかも独自プログラムにてFlashムービーなどを再生できるため、2021年以降もそのまま使い続けることができます。
そのため、いくつかのパソコン教室グループはスタディPCネットと契約をして、教材をこれからも使えるようにしているという情報が入ってきています。スタディPCネットが他社の教材を作るというより、スタディPCネットと提携をして他社の教材を組み込んでもらい、スタディPCネットから自社店舗に配信してもらうという流れです。
関東や関西の中規模なパソコン教室グループがスタディPCネットと提携をしたとの情報があり、今までの教材が延命できた他、スタディPCネットが持っている多くの講座も使えるようになったので、むしろ今後に期待できるといった意見も聞いています。
スタディPCネットと提携できなかったパソコン教室グループの行く末
50教室規模のLグループ
まず、去年破綻した元Jグループを買い取ったLグループですが、技術的にどうすることもできず、本部が教室に対して「今後は教材開発をしない」と明言し、スマートフォン講座を各教室でライブ授業として開催することを指示しています。
そのような無茶な本部からの通達によりFC加盟を諦めて解約した教室は20以上に及び、もともと50教室近くあったグループですが30以下まで減っています。
Lグループが使っていた教材も、元はと言えばスタディPCネットに外注して作った教材が多くを占めているのでスタディPCネットに個別に乗り換えた教室もあると聞いています。
30教室規模のPグループ
こちらも名前は伏せますが、ある企業に買収された30教室規模になるPグループ。こちらは既にスタディPCネットと提携を済ませており、共同で教材開発を進めているとのこと。多くのパソコン教室団体が苦境に陥る2021年1月に攻勢を強める目的で、新たな講座を1月以降にリリースする予定。
パソコン教室業界でFlash廃止の荒波を超えられる技術を持つのはスタディPCネットしか無いため、早々に提携したのは良い判断と言えます。これから糸の切れた凧のように本部を離脱したパソコン教室はこのようなグループに吸収される可能性が高いと思われます。
個人事業主を集めたJグループ
関東を中心とした個人事業主のパソコン教室の寄り合い団体である社団法人のJグループ。こちらは技術を持たず、他社の教材を紹介することで成り立っています。
数年前は100教室を超える規模を誇っていましたが、元は関東関西で200教室近く集まっていましたが、金銭関係で仲たがいし分裂。関東を中心に100教室以上が集まっていましたが、内情はただの教材横流し団体であったためFC直契約と比べると教材の質が悪く卸値も高かったので段々と教室が廃業。現在は50教室を割っていると聞いています。
このJグループはSEOに賭けており、他団体にネガティブキャンペーンを行い、FCに流れる客を横取りして収益を得ようと必死になっています。Jグループのホームページには50教室程度が登録されているように記述されていますが、かなりの数が休会状態らしく経営は困難になっています。
今後のコロナ禍の影響次第でさらに経営が苦しくなり、ネガティブキャンペーンがさらにエスカレートして、訴訟問題に発展する動きが見受けられます。
Web配信に移行したPSKグループ
元はDVDに授業映像を焼き付け、パソコン教室でDVDプレイヤーで再生させて授業させていたFCのPSK(略)。DVDはさすがに古いので動画ファイルに落としてWeb配信に切り替えています。
ただ予算的に厳しいらしく、ワードやエクセルも4年前のバージョンの古いものを使いまわしています。最新バージョンも一部作っていますが数は少なく、最新バージョンのソフトウェアを資金的に購入できないパソコン教室にターゲットを絞って配信しています。
ここは元々Flashムービーを使っていなかった(技術的に使えなかった)ため、逆にFlash廃止の影響を受けませんでしたが、技術不足は補えず危険な状態にあると聞いています。
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